認知症かいごブログ

介護へのはじめの一歩

思えばここから始まった。

そう遠くない未来に、親の介護が見えてきて、親が認知症になるかもという可能性も出て来て、転職先に「介護職」を選んだ。兄弟姉妹がいるところで支え合えるとも限らない。私自身がワンオペになるなら、何も知らずに介護を迎えるより、何らかの知識と経験を得ることで、無知識の苦労や損を避けられると思い、行動を起こした。

情報不足だったが、自分の体力の無さだけは理解していたので、夜勤が無くて、寝たきりの人の介護も無いところとして、デイサービスを選ぶ。

「認知症専門デイサービス」高齢者と暮らした経験も無く、高齢者介護は想像の域でしかない。介護はまさに他人事、世間の人の大多数と変わらない。そんな知識ゼロ、経験ゼロで面接に行き、即採用された。もともとキツイだ汚いだ給料安いとされる人材不足なジャンル。そりゃそうなるか。

やっていけるかどうかは、そこで働く人の顔を見るといい。死んだ目をしていたり、活気が無かったり、ピリピリした空気が漂っていたら、やめておこう。そう思っていた。

結局は、利用者のおじいさん、おばあさんが最高に笑顔だったことが決め手になる。冗談を言ったり、楽しげな笑顔は、この職場を表しているに違いないと。

ほんの数分にも満たない時間だったが、どこの誰ともわからない私に対して、歓迎ムードで、帰り際に「グッバ~イ」と何人もが笑顔で手を振ってくれた。

見学した時の認知症の人たちは、認知症などわからないくらい、どこにでもいる高齢者にしか見えなかったけれど、ほどなくして、認知症という様々な症状が織りなすカオスな毎日に翻弄される時が来ることになる。

認知症介護は、自分の今後の人生を見つめなおすには、学びが多い。
人生の末路をどう生きるのかは、今の自分の生き方、おこないが大きく左右する。

6年経った今、認知症の症状の多様性と向き合うほどに、日常生活における認知症予防の必要性を実感している。

まずは、認知症にならないために、そして、認知症になっても笑顔で過ごせるために、自分が、周りができることをどんどんしていかなければ、楽しい人生は送れない。