今後ますます増える認知症 、今年に入ってからも厚生労働省から公表され、新聞などで報じられています。
2040年にはおよそ3人に1人が認知症かその前段階になっていて、来年2025年には団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に押し上げられ、認知症になるリスクを抱えた人が一気に増えます。
照準を2040年に合わせている人は要注意。親の老化の加速を侮っていては手遅れになりかねません。認知症と診断されなくても、親はすでにその前段階になっているかもしれません。
前段階って何?
記憶力の低下などの症状があっても、家事や買い物などの日常生活に支障が出ていない状態です。専門用語では「軽度認知障害MCI」(以下MCIと表記)と言います。
「え?今、うちの親ってそんな感じなんだけど?」というあなた、私の親も同じ状態です。
前段階の今、予防していくことで急降下は避けられます。
予防で変わる未来
未来1
MCIの人の5〜15%が生活機能障害が出て、認知症になっていく
未来2
MCIの人の16〜41%が運動や食事などの生活習慣の見直しといった認知症予防の取り組みで、健常な状態に戻る
※厚生労働省データ
この記事では、認知症デイサービスの介護職員の私が、自身の親の認知症予防で実践している「五感を鈍らせない」という内容をご紹介しています。
五感が脳に与える刺激は、認知症予防には欠かせません。
今回は五感の中でも大事とされる「視覚」の予防についてお伝えしていきます。
目が見えないと途端に世界は狭まります。それほど目から入る情報の量は膨大です。目から得られる情報が減ると、脳への刺激は激減し、認知症のリスクは高まります。早速予防をしていきましょう。
視覚を鈍らせない
眼科の定期検診を受ける
メガネを作る時などの視力検査だけでは目の病気はわかりません。
高齢になると、老眼の他、白内障に緑内障といった目の病気の発生率が高まるため、半年に1回、定期検診を受ける習慣を取り入れましょう。
購読していた新聞を読まなくなっていたら要注意
新聞や雑誌、本を読む習慣があったのに、やめようとしていたら、目が見えにくくなったことが原因かもしれません。
脳への刺激の激減を阻止するために、個人が扱いやすい範囲で、拡大鏡(ルーペ)やタブレットを勧めてみましょう。
自分の目の老化にも注意
親の目の心配も大事ですが、 40〜50代では老眼に差し掛かってくる頃です。自分の目の老化にも気をつけていきたいものです。
これまで見えていた文字が見えにくくなるというのは、予想以上に不便です。買い物に行っても、商品の説明や原材料などの小さい文字がクリアに見えません。新聞も本も、小さい文字の類が裸眼では見えなくなっていきます。
老眼鏡の始めはストレス
メガネをかける習慣が無いと、メガネをかけるだけで顔に重みが加わりストレスです。そして老眼鏡の掛け外しの時、一瞬ピントを合わせるためにボヤけることで、目が余計に疲れやすくなります。
文字を読まない生活を選択
目が見えにくいと自然と文字を読まない生活を選択していきやすくなります。読みたい文字は、都度老眼鏡をかけてまでは面倒です。見えない時点で諦めていくという負のスパイラルとなってしまいます。
親も同様
見ること、読むことを避けているようなら要注意です。すぐに対処していきましょう。
まとめ
眼科の定期検診の習慣化
読むことを諦めることは、情報が減り、脳への刺激がなくなり、認知症リスクを引き上げることにつながります。
見えにくいと目を凝らして見ようとするため、不便だけでなく、目が疲れます。何が原因かわからないうちは、まず眼科の受診しましょう。
文字を読まなくなったら、アイテムを使う!
病気では無く、老化によるものであった場合、拡大鏡(ルーペ)やタブレットなど、本人が使いやすい物を見つけて、新聞の購読、読書など、これまでどおりの生活が送れるようにしましょう。
目の健康は、毎日の生活をより活き活きと過ごすためには欠かせません。視覚をサポートするアイテムを駆使しながら、視覚を衰えさせないようにしていきましょう。