先日の警視庁が統計で、認知症行方不明者は、昨年最多の1万9039人と発表していました。前年比330人増だそうです。
私の勤務するデイサービスの利用者にも行方不明になる人は年に1~2件は発生しています。私も施設外で倒れている施設高齢者を発見したことがあります。雨で人通りの無い道で、道から外れた所に倒れているところを偶然発見したのですが、発見が遅れれば命が危ぶまれたかもしれないということでした。
つい先日も朝から施設のケアハウスの住人で、デイサービスも利用されてる人が行方不明と大騒ぎになっていました。結局、徒歩で隣の市まで歩いた末に転倒していたところを見つけられ、警察も来て保護されていました。
行方不明になり、無事に戻れる人がいる他で、遺体で発見された人は全体の約2%(502人)、見つからなかった人は約1%(250人)います。
警察に届け出をしていない数を合わせると、全体数は相当多いことでしょう。
認知症の行方不明者の年代別データ
80代以上・・・60%
70代・・・・・30%超
60代・・・・・826人
50代・・・・・140人
40代・・・・・9人
30代・・・・・2人
70代以上がほとんどです。
認知症の行方不明者の都道府県別データ
1位 兵庫県 2094人
2位 大阪府 2016人
3位 埼玉県 1912人
認知症の人の徘徊には目的がある!
認知症の人が周りに知らせずに勝手に出て行くと「徘徊」と言われますが、認知症の人自身は、その人なりの目的があるとされています。子どもを学校へ迎えに行く、仕事に行く、(今の家では無い)家に帰るなど様々です。
そして、一見しただけでは、認知症の人ともわからない、ましてや道に迷っているようにも見えなかったり、ただの散歩に見られたり、わかりにくいことも多いです。
デイサービスの利用者で、たまたま雨で傘をささずに濡れたまま歩いていた認知症のおばあさんが保護されたことがあります。見た目も身なりも上品な外見のおばあさんなので、街中で歩いていたら、わからないです。偶然「あれ?雨降ってるのに傘もささずに・・・」と思って声をかけてくれた人がいたことで保護されました。
道端に何時間も座っている人や、健脚で遠くまで歩いていってしまう人、タクシーで更に遠方へ行ってしまった人、気づいて声をかけてくれる人がいて初めて保護につながるので、もし不審な高齢者がいたら、迷わずまちがえても良いので声をかけることが重要です。
行方不明者は灰色の服が多くて見た目わかりにくい
デイサービスでも、認知症の人の情報が入る場合が時々あるのですが、外見的特徴に共通して、ほとんどの人の服装は「グレー」「グレーがかった」「鼠色」「灰色」と、色が同系色だと気づきました。これは、そもそも高齢者の服装がこういう色目が多いということに他なりませんが、ここは特徴的な色味の服やアイテムを着用することで発見につながりやすくなるのでは?と思います。
早期発見アイテムの活用
また、国家公安委員長が定例記者会見の発表で、GPS機器を使った早期発見として、自治体などでGPS機器を貸出ししているところもあるので、認知症の人のご家族には活用してほしいと呼びかけています。
かくゆう私も、独居の親に本人の許可のもと、GPS機器のキーホルダーを持たせています。自分の携帯からどこに今いるのかを確認することができます。私の親はまだ認知症ではありませんが、なかなか怪しくなってきているので、大きな安心材料になっています。
もし道に迷ったことが発覚したら、携帯から通話で道を伝えることができたり、迎えに行くことができたりするので、万が一に役立つアイテムなのでおススメです。
まとめ
●認知症の行方不明者は増加の一途。まちがっても良いので、不審な高齢者には声をかける!!
●認知症の人の家族は、本人が他者からわかりやすいように、特徴的な色やアイテムを身につけてもらう。ほとんどが「灰色」なのでスルーされやすい。
●本人の許可を得て、GPS機器を持ってもらう