今回はお風呂での失禁を防ぐ、そんなお話です。
高齢になると、身体的機能の衰えから、失禁してしまうということが起こりやすくなりますが、お風呂場は、温かく気持ちいい、そんなリラックスしてるがゆえに筋肉が緩んで失禁してしまうことも起こります。
若い頃からの生活習慣
若い頃からの生活習慣で、お風呂前にトイレに行く人と行かない人に分かれているかと思いますが、高齢になるとトイレに行くにも歩行も不安定で時間がかかり間に合わなくなることもあるので、できるだけお風呂直前にトイレに行くことが良いと思います。
そうは言えども、「今は出ない」「行きたくない」と言われることはよくあります。
そして、お風呂に着いた時点で「おしっこ」「トイレ」と言うこともよくあります。
これは、いったん「トイレ」という言葉を耳にして、やっぱり行きたくなったという場合もあれば、脱衣していく過程で、トイレでの脱衣と重なってしまうところがあるかと思います。
「さっき行かないって言ったやろ!」と言いたくなる気持ちはわかりますが、それを言っても解決になりません。
お風呂前の声かけは大切
「今からお風呂なので、お風呂前にトイレを済ませておきましょう」と地道に声をかけることで、認知症の人によっては変化が出て来ます。お風呂前にトイレがセットと捉えてくれるようになったり、行きたくないけど行っとこうかとなったり。
おしっこが出なければ出ないでいいのです。高齢になると、膀胱が固くなっておしっこが出にくい人は多いです。
要は、いったん移動したり、脱衣し始めてからのトイレとなった場合の本人や介助者にとって、移動や脱いだ服を着る負担の軽減、間に合わず失禁を防ぐためです。
自分自動化のススメ
トイレに行かないと言ったのに、結局トイレ?!という現実はよくあります。自分のストレスを軽減する策としては、自分自動化をすることです。
自分の意識の切り替えが鍵となります。「では、急いで行きましょう」と自動的に意識を切り替えて、すぐにトイレに連れていき、間に合ったら、「間に合って良かった良かった」と言って、お風呂に戻ります。
「え?さっきトイレ行かないって言ったでしょ?」「え?また?!」「勘弁してくれ」といった感情が入り込む隙を与えないことが身を救うのです。
「トイレ今行きたくない」「では、そのままお風呂に行きましょう」
「トイレ行きたい」「では、すぐトイレに向かいましょう」
言葉をセットにしておくのが一番。口に出した言葉通りに、自分の脳は思い込むということは脳科学的に色々なところで言われています。感情を抜いた行動の言葉の脳トリックを利用しながら、大変な局面を乗り切っていきましょう。
お風呂をトイレ化した未来予想図
少し前の新聞の記事で、20代の人が他の年代よりも多く、お風呂でおしっこをしているというデータが載っていて、高齢者じゃないんだとビックリしたことがあります。
そして、その記事では、おしっこの約95%が水分(残りの約5%が尿素、塩分、電解質など)という理由で、おしっこは「ほぼ水」、トイレで何リットルも水を流すよりも節水で、推奨されている内容でした。
いくら節水だからと、お風呂でおしっこをすることを習慣化していると、高齢になって、自分の体のコントロールが効かなくなった時に、便失禁までするようになるのではと思います。
どの世代の人でもそうですが、今自分がお風呂でしている習慣は、高齢になって、思わぬところで披露するハメになるので、今から生活習慣を見直すことをおススメします。