私の親はまた1つ年を重ね、80代の独居生活を続けています。
親が今の独居生活をより長く続けるために、介護職での経験を活かし、日々色々な工夫をし、認知症予防にも取り組んでいます。
今回は「親の生活動線の確保」のお話しです。独居でも同居でも必要だと思うことは、できるかぎり身の回りをシンプルにすること。特に狭い家ほど『物減らし』が重要になってきます。
物が多い部屋は要注意!
高齢者あるあるですが、高齢にもなると、思い出の品も含めて総体的に物が多いです。もったいない、捨てられないという人たちです。片付いていればまだしも、隙間に置かれ、積み上げられ、溜まっていく一方の物の多さの人は危険リスクが高いので要注意です。
危険リスク
1歩くだけで何かを踏んで転倒などのケガをする
2地震など振動が起きた時に物が倒れて下敷きやケガをする
3デイサービスの送迎、緊急搬送時など、第3者が部屋に入り、高齢者を誘導や搬送する際、スムーズに対応できない
デイサービスでは、実際に、車椅子でしか移動が困難、歩行が不安定であるにもかかわらず、動線が厳しい状況下の人たちがいます。
人ひとり通れるか否か、物をどかしてしか通れない、物をよけてしか通れない、毎回そんないつケガをするかもしれない動線の中、高齢者の安全を第一に誘導している現状があります。
家族の協力がないと難しい
高齢になると、自分で片づけたり処分したりするための行動力や判断力が既に落ちている場合がほとんどです。ほぼ出来ないという認識で、家族が早めに対処していくことが望ましいです。
ただ、家族もまた、片付けることへの関心が見られない場合は、危険と隣り合わせの生活を続けるしか無く、いざという時に間に合いません。これから対策を考えていきたいと考えているあなたには、救いがあります。
ケガする前に早急にぜひ取り組んでください。
因みに、私の親は結構片付けや整理整頓が習慣になっていて、今は良いですが、これもまた面倒くさいとなって来た時に、お手上げにならないために、物減らしを始めています。
断捨離できる人?
世の中は、断捨離ブームから早何年?今や片付けのプロたちが、様々な本を出したり、季節ごとにテレビでも特集が組まれたりしています。
いくらそんな本が世の中にたくさん出ていたり、テレビでやっていても、興味が無かったり、自分から遠いように感じている人、わかってるけどできない人には、行動につながりません。
断捨離できない人には、とりあえず1つだけ。
「道を開けよ」
捨てなくてよいから、人が通れる道を開けましょう。
動線の確保
イメージ対象は「緊急搬送」でよいです。万が一の想定で、ずいぶん暮らしやすくなります。
開ける道はどこ?
以下の道に置かれている物たちを移動させてください。
1(家の前道~玄関)救急隊員が担架で人を運べる通り道
2(玄関)救急隊員が玄関で靴を脱ぎます
3(廊下)担架を担いで通ります
4(部屋)担架を置いて人を乗せるスペース
5 倒れるところは「お風呂」「トイレ」「台所」の可能性もあるので、それらがある所の廊下も通れるようにしておきます。
物たちの置き場所(移動先)
捨てられない物たちは、使ってない部屋や物置などがあればそこへどんどん移動。使っていない部屋や物置が無ければ、いったん使っている部屋に分散しておきます。
使っている部屋だと、邪魔になるので処分しやすくなります。処分しない物だけが残ると、整理がしやすくなります。
動線に物を置かない。それだけで安全度が上がります。
気の向いた時に断捨離を
物が多いと後々に困るのは遺族となった家族です。どこからどう手をつけたらよいのか途方に暮れて、仕事と家事の合間で永遠に進まない片付けに追われる日々が待ってます。
いったんは、動線の確保を優先しますが、まずは物を増やさないように、そして少しずつでも、できる範囲から不要な物を処分していきましょう。
ゴミの処分も、今後、規制が多くなり、処分費用も高くなっていくかもしれません。処分に費用がかかる物から手をつけるのもありです。
高価買取
新聞広告やテレビCMで「高価買取」の宣伝を目にする機会が多くなったと思いませんか?
団塊の世代が後期高齢者になりゆく今、すでに終活をスタートさせている高齢者たちが、これまで収集してきたコレクションを手放す時代に入ったことにより、多くの買い取り業者が参入している現状です。
片付けに疲れ果てて、二束三文で手放さないように、元気なうちに、動けるうちに、片付けの行動を起こしましょう。