認知症かいごブログ

不十分にもほどがある手洗いできていない高齢者

デイサービスに来ている利用者の多くは手洗いができていません。指と指の間、手首までなどというきっちりした手洗いを求めているわけでは無いのですが・・・

この現実は認知症だからといったわけでは無く、高齢者特有といったわけでも無いのでしょうが、9割はまともに洗えていないところを見ると、認知症高齢者の多くは洗えていないため、感染症の面から何らかの対策は必要なのではないでしょうか。

石鹸を使う人はいない

丁寧に洗っている人でも石鹸まで使う人は殆どいません。例え、トイレで拭く時に尿や便が指に付いたとしても、自ら石鹸を使う人は見たことがありません。

「石鹸で洗いましょうか。これは泡で出てくる石鹸なんですよ」と、説明しながら手の上から泡石鹸を落として、半ばゴシゴシせざる得ない状況にしない限りは汚れていても水洗いしかしないことが共通しています。

当然、菌汚れは落ちていないので、感染症を引き起こす原因になりかねませんので、気になった時は泡石鹸を手に落とします。泡タイプは液状よりもすぐに流れてしまわず、目視しやすいので最適です。

不浄の手?片手しか洗わない

トイレの手洗い時、片手しか洗わないおばあさんがいます。私が介助に付くといつも「両手とも洗ってくださ~い」と言うのでうるさがられる時もあるくらい毎回片手しか洗おうとしません。

おばあさん曰く「こっちは使っていないから」
トイレであちこち手は触れているので、使ってないという理由は却下です。

仮にも子どもを3人も育てて来たお母さんが、子ども達に使ってないから洗わないということを許して来たとは思えません。本来なら理解できることも、認知症だと当たり前がわからなくなるので、その都度声かけが必要になります。

声かけをしないと片手しか洗わないのも問題ですが、手の洗い方も問題ありです。こすらずに濡らすだけという簡易すぎる洗い方。やはり菌汚れなど落ちてるわけありません。

スキンシップが大好きなおばあさんで、タイミングあらば人の体を触りまくっているので、菌をばらまいてると言っても過言では無く、声かけで対処することは重要になっています。

指先しか洗わない

トイレの手洗い時、指先だけしか洗わないおじいさんがいます。しかも指先を一瞬濡らしただけで、手で洗面台のふちを叩いて水気を切るのです。その洗い方で長年きているせいか、ゴシゴシなど受け入れてもらえません。仕方なく、汚れがひどい時は泡石鹸を上から垂らしたり、不十分な手洗い後に消毒ジェルを手にかけています。

5秒も洗わない

だいたいの人が、手を濡らすだけの1~2秒。5秒もゴシゴシこすり合わせてないという人が多く、都度の声かけではとうてい間に合いません。手を何のために洗っているのかを忘れてしまった結果、形だけ残ってしまったような人ばかりです。

それでも、可能な限りは声かけ対処していくしかありません。

手で洗面台を洗ってくれる高齢者たち

これはスゴイなと感心するのですが、トイレや洗面所を自分が使ったら(汚れてなくても)、素手で流し場を洗う人が何人もいます。主に女性で、きっと昔からきちんと家事をこなし、水回りも常にきれいにしていたのでしょう。自分の手もきれいにしてくださいねと思い、最後にもう一度手を洗ってもらっています。

石鹸と手の消毒を駆使するしかない

声かけでどうにかできるならよいですが、高齢者は行動範囲が狭く、動きが少なくなっていき、手洗いの回数も最小限になっている人も少なくないです。

多少汚れても気にならなくなり、手を洗う以前に自分の体を支えることに注力して、手洗いを早く済ませてしまったりということもあるでしょう。

そんな人には、あえて手洗いの最中に泡石鹸を垂らして、視覚的にも触覚的にもゴシゴシしてヌルヌルを取るという、汚れが気になる時に、手洗いを簡単に済まさずにすむよう工夫をしてみましょう。

また、手の消毒としてジェルタイプでもスプレータイプでも用意しておけば、サッと消毒でき、不十分な手洗いが気になる時に便利なので活用してはいかがでしょうか。