高齢になると、尿や便を止める筋肉が弱くなり失禁しやすくなります。親も例外ではありません。今回は、万が一の失禁の心配を軽減消してくれるアイテム「尿とりパッド」のお話です。
独居の親のタンスの整理をしていた時のこと。とっくに終わっているはずなのに、生理用ナプキンがしまわれていました。
本人は照れ隠しで「まちがって買ってしまったんや」と言っていましたが、尿もれ対策なのはまちがいないので、数日後、生理用では無く、尿とり用のパッドの少量タイプを買って持っていきました。
デリケートに扱うべきこと
誰しも尿もれを人に知られることは抵抗があります。だからといって、触れず対処せずに放置すると、外へ出なくなったり、汚れた衣類の始末に困って隠したり捨てたりと、良くない方向へいきかねません。
きちんと説明することで、安心してこれまでと同じように、出かけたり、万が一にも慌てなくてもよくなります。
恥ずかしめない説明が大切
親だから、家族だからと、何を言ってもどんな言い方をしてもいいわけはないです。こういったデリケートな事柄については、自尊心を傷つけない言葉選びが大切です。
●今(尿もれが)大丈夫でも、その時期はやがて来るもの。準備しておくに越したことはない。
●尿もれしてもおかしくない年齢。まわりの同年代は口にしなくても皆同じ。
●尿もれを気にして外出を控えたりする人がいるけれど、そんなことで出かけることをあきらめるなんてもったいない。高齢になるとやってる人が多い簡単な解決策がある。
●出かけ先によって、心配な時だけ(尿とりパッドを)付けておくとかなり安心。
●メーカーも種類もたくさんあるから、個人に合わせて細かく選べる。
●生理用と尿とり用は、似てるけど効果が違う。生理用はドロっとした血液を吸収するように作られていて、尿もれパッドはサラッとした尿の水分を吸収するように作られているから、今後買うなら生理用では無く尿もれパッド用。
といった声かけをしていくことで、抵抗無く受け入れていけて、本人の安心につなげることができます。
親の反応
尿とりパッドを勧めた時点
これまで尿もれチームと同じと思われることへの抵抗があったようですが、きちんと説明することで「運動ジムでも(尿とりパッドを)付けてはる人をよく見る」「自分も時々尿もれするようになった」など、言い、その後もフラットに話せるようになりました。
尿とりパッドお試し期間
「なんかの拍子にちょっとおしっこが出てしまったりしたことあるし、この間、友達と出かけた時にして行ってん。ほんま安心感が全然違うなぁ。いつもやったら出たらどうしようって気になるけど、これしてるだけで安心やった。楽しかったわ」
尿とりパッドに慣れてきた現在
「家にいる時はこれで(少量)いいけど、やっぱり電車乗って出かけるとかになるとこっちの方(100cc)がいいなぁ。安心や。」
「薄いのあるけど、薄いのより、あんたの買って来てくれたこっち(通常タイプ)の方がいいわ。」
といった具合に、尿とりパッドを付けることにスムーズに馴染んで、その後も自分で使い分けをしていて、毎日を楽しく過ごせています。
お守り代わりに早めに渡しておくのがベスト
私の親のようにこれからの人にも、お守り代わりに買って渡しておくと良いです。使う使わないは本人におまかせして。
高齢になると尿もれの心配は誰にでも起こりますので、手元にあると、きっと遠くない先に使っていかれることでしょう。
自分で用意するには、尿とりパッドという存在自体知らなかったり、買いに行くことがはばかられたり、なかなか難しいかもしれません。ぜひ、1つ試しに買ってプレゼントしてはいかがでしょうか。
大きな安心につながることを実感してもらえるはず。
薄いタイプ?通常タイプ?
薄いタイプでは、いくら吸収量が多くても薄いがゆえの心もと無さを持つ人(私の親もそう)がいますので、直接本人に聞ければいいですが、難しい場合は、ひとつの目安に参考にしてください。
薄いタイプ・・・スタイルやファッションを気にかけている人。アウターに響かないことをポイントに選ぶ。
通常タイプ・・・安心第一の心配性。遠出など外出が多い人。
容量で選ぶのに迷ったら
とにかく吸収量もごく少量から多量のものまで容量展開が細かく種類が豊富。ブランドメーカーの有名どころでは、ライフリーやユニ・チャームがCMでおなじみかもしれません。
容量
人の排尿は、1回がおよそ150㏄といわれています。そのため、〇回分などという表記がされているものが多いです。
排尿には個人差があるので、個人に合わせて多い少ないを考慮しながら選ぶとよいでしょう。
私の親は少し尿もれするという段階のようでしたが、買う時は前知識や情報が無く、迷いながらも120ccをチョイスしました。これは、個人的な意見ですが、万が一、全量では無くてもドバッと出た時に安心感がある気がしたためです。結局はまだ120ccまでは使っていませんが、100ccのものは既に使っています。
今後は、旅行や乗り物で出かける時用に1回分をまかなえる容量を用意しておくのも良いかと思っています。150~170㏄あたりになるでしょう。かなり大きく分厚くなりますので、本人が念のためにと希望する時に使えたらと考えています。

尿とりパッドが無い人は・・・
デイサービスでも尿もれパッドを付けている人は多いですが、家族が用意していない利用者は、自分で買いに行くことが出来ないこともあり、トイレットペーパーや使い捨てのペーパータオルなど、紙類をパンツに挟んでいる人が何人もいます。
苦肉の策とはいえ、汚れをしっかり防げるものでは無いですし、ペーパータオルの材質によってはトイレに流せないものなので困りものです。
親が高齢になったら、安心してこれまでと同じような行動範囲で生活できるように、早めに尿とりパッドのプレゼントをすることをオススメします。
