今回は、マスクを付け慣れていなかったコロナ過当初から、現在に至るまでの認知症高齢者の「マスクファッション」をエントリー方式でお話しします。
コロナが流行り出した約5年半前、デイサービス内でも、マスクは職員も利用者も絶対必須のものでした。
認知症の利用者にとってはマスクの着用はハードルが高いのでは?と思っていましたが、意外にも受け入れてくれる人がほとんどで、嫌がる人は限定的でした。
エントリーNo.1 『冷えピタ』スタイル
コロナ禍で「こんなもん出来るかっ!!」と、てっきりマスク拒否をすると思っていたおじいちゃんが、意外にも抵抗無くマスクをしてくれています。普段から荒れている人だと、普通にマスクをしてくれるだけで感謝の念が湧く不思議。
そのおじいちゃんが「お〜い」とスタッフを呼んでいます。
椅子の向きが向こう側を向いているので、おじいちゃんの視界に入るように「はいは〜い」と駆けつけると、おじいちゃんがこちらを向いてくれました。
「・・・(私)」
私の方を向いてくれたおじいちゃんは、しっかりマスクをしてくれていました。
『おでこ』に・・・冷えピタスタイルです。
マスクを『おでこ』に貼り付けたおじいちゃんが、真顔で「今何時や?」と聞いてきました。
もう少し上だったら、サングラス風になるのでは?いやいや、そんなことより早く質問に答えるか、マスクの位置を直さないと、、、
まだマスクのイレギュラーな付け方に見慣れないため、笑いをこらえつつ我に返るまで少し時間がかかった出来事でした。
『冷えピタ』スタイルは、当時最も流行ったマスクの付け方です。

エントリーNo.2 『あごマスク』スタイル
今も昔も定番は『あごマスク』スタイルです。これは誰もが一度は、したことのあるスタイルではないでしょうか。あごマスクは、ふくよかな「あご」だと、あごの肉に埋もれて一瞬見失ってしまうことがあるので、もしマスクが見当たらない時には、あごの下も探してみましょう。

エントリーNo.3 『目隠し』スタイル
あるおばあちゃんが新しいマスクの付け方をしていました。流行の冷えピタ風マスクをしようとしたのか、おでこの位置には今一歩届かず、『目隠し』スタイルになっていました。
もはやそれは安眠マスクです。確かによく居眠りされています。目隠しスタイルは、今も違うおばあちゃんに派生しています。

エントリーNo.4 『十字がけ』スタイル
インパクトMAXのマスクファッションが登場したのはマスク生活が定着した頃です。マスク2枚をタテとヨコにクロスさせた『十時がけ』スタイルのおばあちゃん。白マスクと水色マスクの2色使いでオシャレに決めています。タテのマスクは邪魔ではないのか?本人は気にしてる様子も無かったのですが、直させていただきました。

エントリーNo.5 『ビキニ』スタイル
またまたインパクトMAX越えが登場です。このおばあちゃんもマスクの2枚使いのおばあちゃんです。1枚はきちんと口に装着。しかしもう1枚は・・・
なんと、耳ひもを腕に通して、『ビキニ』スタイル。
斬新、斬新すぎる・・・
家に帰って、つい真似してやってみたけれど、耳ひもがちぎれてしまい2連敗。何を真似しているのやら。
偉業を成し遂げたおばあちゃんに心の中で拍手。
マスクのアレンジは、私の想像を超えていきます。
