親の認知症予防

高齢者の靴への思い込みが強いあるある

「靴」選びって、体を支えたり、歩いたりするために、自分に合っているかがとても大事ですよね。
高齢者になり、他者の手を借りて靴の脱ぎ履きをするようになると、今度は「履かせやすさ」も大事になってきます。

今回は、靴のことで多くの高齢者が2つの大きな問題を抱えているといったお話しです。

1.革靴が合っているという思い込みで、今必要な靴に変えられない

昔から履いてきた馴染みの革靴。昔は手入れをしていたかもしれませんが、高齢になって革靴を履いている人は、革が剥げ、シワが深く刻まれ、黒ずんで、型崩れして正直ボロボロの靴を履いている場合が多いです。

本革でも合皮でも、革靴にこだわる高齢者は多い

・きちんと見えるという思い込み
・他の新しい素材やデザインの靴は落ち着かない
・オーダーメイドだから自分に合っているはずという思い込み

高齢者の足は血の循環が悪く浮腫などでむくみやすく、むくんだ足に革靴はキューキューで入りにくいです。デイサービスでも革靴を履いている人は何人もいますが、ほとんど全員がきつそうです。認知症がゆえなのか、一様に、きついと思っていない様子。履かせる側からすると、かかとを入れる際の指が痛いです。

靴がボロボロになって、やっと買い替えられたと思ったら、また同じ靴の新品だった時は、さすがに「なんでやね~ん」と心の中で突っ込んでしまいました。家族が靴に対してあまり関心が無いのか、同じ靴なら履けるだろうと思ってのことなのか、その靴の謳い文句が足にやさしいとかだったのか、とにかく高齢者に革靴は足にちっともやさしくないので却下です。

2.若い時に履いてた靴の弊害が高齢になってから出まくる

若い頃にハイヒールやパンプスなど、先の細くなった靴ばかり履いていた人は、外反母趾で足の骨の形から変形して、履ける靴が限られている人がいます。

私の母親もそうですが、外反母趾で足の骨が当たって痛いために、履きたい靴が履けず、靴屋で中敷きなどでオーダーした革靴を履いています。

高齢者は一度自分に合ってると刷り込まれると、その靴ばかり買う傾向があるのでは?と思うほど、加齢による足の変化に見直すこともなく、その思い込みだけで何年も同じメーカーの同じ靴を履き続けます。

やがて自分で買い替えることができなくなると、そのまま同じ靴をずっと履き続けていくのでしょう。

また、昔おしゃれが好きだったんだろうなと思わせるおばあさんは、靴もデザインや色が素敵な靴を履いているのですが、これまた外反母趾や足のむくみで靴がきつそう。それでも買い替えることはもうできず、他に履ける靴も無く、本人も特に気にもせず履き続けています。

靴を自分で履けなくなった人の靴はこれだ!!

靴を他者の手を借りないと履けなくなった高齢者に適した靴は、今のところ一択です。介護シューズで「快歩主義」シリーズで、縦にマジックテープで開いて履くタイプの靴です。横にマジックテープで留めるタイプ(他メーカー)の靴でもよいですが、私が介助した経験上、縦に大きく開くタイプが一番履かせやすいです。高齢者用の靴コーナーで割と見かけるので広く売られているものです。

横にマジックテープで留めるタイプの靴は、ベロの部分を整えるというステップが1つ加わることと、自分で留めた場合、ゆるくなる可能性も考えられます。その点、縦に開くタイプは、開いて足を入れ、そのまま閉じても適切な位置に留まるのでズレがありません。

他メーカーも似たような縦開きのデザインの介護シューズはあるので、靴選びに迷ったらぜひ参考にしてみてください。介護が必要になったら私の親にはこの縦開き靴を履いてもらおうと思っています。