デイサービスに来る認知症の利用者たち
楽しみにしていた人、迎えに来られたからわからないけど来てしまったという人、行きたくないのに無理矢理連れて来られたと思ってる人、気分は様々。
デイサービスでは午前中に入浴があり、順番に入ってもらいます。順番は利用者の状態、利用者同士の関係性などが考慮して決まっていきます。
とはいえ、すんなり入ってもらえないことも多々あるのが難しいところ。
お風呂に入りたくない人たちの声
「どうしてこんなところでお風呂に入らないといけないんだ!!」
「風邪ひくから嫌だ!」
「今は行きたくない、他の人を先にして!」
「〇〇が痛いから入らない」
「お風呂は家で入るから」
と、その人なりに切実に訴えてきます。声には向き合うけれども・・・
利用者の声には向き合うけれども、家族の声が優先される
いくら利用者が嫌がれど、入浴希望が家族さんから出されているので、発熱や血圧が高いなど、体の不調が無い限りは基本的には入ってもらいます。職員の使命は何とかして入浴してもらうことになり、嫌がられるほどハードルは高くなります。
利用者の声に耳を傾けながら、どんな声かけがその人の心に響くのかを考えながら声かけしていきます。
「今日〇〇さんはお風呂のご予約いただいてますよ」
「脱衣室、風邪ひかないように暖まってますよ」
「〇〇さん、手が冷たい、体が冷えたままだと余計に体に悪いので、体を温めに行きましょう」
「後でお声かけしますので、順番来たら移動お願いしますね」
「傷が滲みないように絆創膏するので安心してください」
「今日はご家族の方がこっちでお風呂入って来てとお着替えを用意されてますよ」
その時、その人に合った声かけをしていきます。他にも雑談をしつつ「ではボタンをはずしていってください」と脱衣の言葉を間に挟み込むと気持ちが雑談の方に集中しがちなので効果的です。
拒むなら、その気になるまで待とうホトトギス
拒みが強すぎてどうにもならない時に無理強いは禁物です。そんな時は時間をずらしていきます。
10分後、30分後、順番の最後と様子を見ながら、気持ちが切り替わるタイミングを図り声をかけていきます。
やむおえず午前の入浴時間を見送って、午後にする場合もあります。
午後になると昼食も食べ終わり、ゆっくりした時間を過ごす中、気持ちも穏やかになったり、少し暇を持て余すようになったり、声かけにすんなり応じてもらいやすくなります。
諦めることもある
結局どうにもならなかった場合、その日は仕方なく諦めます。
この日一日入浴せずとも問題無い人なら、諦めることも選択肢の一つです。
衛生面の汚染具合が問題の人の場合はお風呂は無理でも、トイレで更衣をしたり、衛生を保てるように工夫します。
時が解決してくれることも多い
お風呂に限らずですが、気持ちの浮き沈みは、午前がダメでも午後に変化していくこともよくあります。気負わず、焦らず、夕方までの時間の中で、より穏やかに楽しく過ごせる環境を作っていきながら、変化が訪れるとラッキーくらいが、お互いに丁度良いかと思います。







