認知症かいごブログ

おじいさんのトイレ事情

今回は、おじいさん、おじいさん予備軍が家族にいる方に向けてのお話しです。
ホントそれ~我が家だけでなかったという共感や、そんなことに・・・といった危機感まで。直面して慌てたり、いらだったりする気持ちが少しでも軽くなればと思います。

おじいさんはトイレで用を足す時、立ってする人がほとんどです。高齢になると特に転倒の危険性があるので座ってすることをおすすめします。

しかしながら、立って用を足すことを当たり前にしてきた何十年、今さら座ってすることに抵抗があるおじいさんがほとんどです。

中には座ってしようと試みてくれるおじいさんもいますが、結局は座ってでは出ない。不慣れな体勢は気の毒ですが慣れてもらうしかありません。

チャレンジしてくれるおじいさんがいる一方で、「女のように座ってできるか!」的な感情が邪魔してしまうおじいさんもいます。

無理に座らせることはできないけれど、高齢になり、足腰がふらつき始めたおじいさんだと、やはり転倒の危険性が高いです。納得までに時間がかかりますが、座る方が安心安全なので、あきらめたり放っておかずに、声かけをしていきましょう。

デイサービスでは「今日はふらつきがあるようなので念のために座ってお願いします。トイレで転ぶ人が多いので皆さんにお願いしています」といった感じで伝えています。こちらからの「お願い」ということにすると自尊心を傷つけずに「仕方ない」と思ってもらいやすいです。もちろん誰でもすぐに上手くいくわけではないので地道な声かけです。

「今日だけ」「今だけ」といった限定にすることでも、一時的に譲歩してもらいやすいです。認知症のため、すぐ忘れてしまい、都度の声かけにはなりますが、総体的に受け入れてもらいやすいです。

声かけしても難しく、立って用を足す意思が強い場合は見守るしかありません。

立って用を足すと、本人の転倒の危険性もありますが、床などが尿がこぼれて汚れるということも多々出てきます。

市販で「的」シールなどを貼って、その的めがけてすることで飛び散りを防ぐ手もありますが、認知症高齢者にはハードルが高いです。

おじいさんになると排泄の勢いもなくなり、便座に覆い被さるくらいに近寄っても、手前にこぼれ、便座も床も、場合によっては衣類が汚れてしまうことがあり、更衣の必要も出てきます。

掃除や更衣が都度となれば家族や介助者の負担は積み重なってきます。

デイサービスでも手が回らずに掃除が遅れると次の人が入ってしまい、気づいて教えてくれる人もいますが、たいがい次の人も気づかずに汚れを踏んでそのまま何事もなかったように出てきます。

認知症は徐々に進行していく病気です。いずれ高齢も重なり、立って用を足すこと自体、しんどいと感じていく人も出てきます。そのタイミングで、「座った方がラクですよ」と伝えることで、しんどい人ほど「あ〜そうか〜」と座ってもらえます。

転倒の危険性と労力や手間を考えると、座ってするに越したことはないのですが、習慣が相手では難しいので、日ごろから声かけをしておきましょう。即効性は無くても、座ってする方が当たり前と思い始めるきっかけになります。

「少しでもしんどい時は座ってした方がラクみたいよ」
「○○さんとこのおじいさんもラクって言ってたよ」
「立って用を足してコケてケガしてる高齢者が増えてるってニュースでやってたよ、心配やし座れる時は座ってね」
「お医者さんが高齢になったら座ってすることが大事って言ってたよ」

本人の知っている人、医者など権威のある立場の人、世間一般論としての話しなど、本人が素直に聞き入れそうな第三者を声かけ時に登場させると上手くいきやすい場合があります。

男性はプライドが高い人も多く、無理にすすめても機嫌が悪くなったり、意固地になる場合もあるので、引いてタイミングを待つしか無い人もいます。

デイサービスでは、関係性が悪化しないように努めることはもちろんのこと、安全第一で機嫌よく過ごしてもらうことで、結果的にお願いを聞いてもらいやすくなっています。

最後に、これも労力と気持ちの負担を軽くするために大切なこと。汚れたらすぐに掃除できるように掃除道具をスタンバイしておくことです。掃除が苦行にならないようにサッと終わらせられると、介護者の心的負担は軽減します。